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科学イノベーション挑戦講座受講生がホトクロミック分子の合成と分析に挑戦しました
2016/01/21
平成28年1月9日(土),教育学部≪科学イノベーション挑戦講座≫受講生がホトクロミック分子の合成と分析に挑戦しました。
 科学イノベーション挑戦講座は,国立研究開発法人科学技術振興機構の次世代科学者育成プログラムメニューB採択事業として3年目の実施になります。
 今回,科学イノベーション挑戦講座を受講する中学生が「光で色の変わる結晶の秘密を解明しよう」というタイトルで,現在も研究が続くホトクロミズムを有する分子を合成し,その構造を分析する方法を検討しました。

物質が何かの刺激によって色が可逆的に変化する現象をクロミズムとよびます。例えば,温度で色が変わる温度計は,熱によって可逆的に色が変化するのでサーモクロミズムとよばれます。
 サリチリデンアニリン類は,無色透明〜黄色の結晶(エノール型)ですが,これに紫外線を照射するとオレンジ色の結晶(ケト−シス型)に変化します。そして,このオレンジ色の結晶に可視光線を照射すると元の黄色の結晶に戻ります。
 結晶の状態はまったく変わらず,光の照射によって色だけが可逆的に変わります。このサリチリデンアニリン類を用いて,分子の構造と色の変化について考察しました。
 サリチリデンアニリン類の合成は,図2のふたつの化合物をアルコール中で混ぜ合わせることで進行します。原料はどちらもアルコールに溶けますが,生成物であるサリチリデンアニリン類はアルコールに難溶です。そのため,化学反応の進行とともに,沈殿物としてサリチリデンアニリン類を得ることができます。中学生は,2種類のサリチリデンアニリン類を合成しました。

次に,サリチリデンアニリン類を使って,ホトクロミズムの分析に挑戦しました。分子の構造を調べる方法として,中学生はこれまで紫外可視分光光度計と赤外吸光光度計を利用してクロロフィルの構造やイプシロン−カプロラクタムなどの構造を分析しています。そこで,紫外可視分光光度計で分析するための予備調査として溶液中でホトクロミズムが観察できるかを検討しました。
 その結果,予想に反して,溶液中ではホトクロミズムが観察できませんでした。そこで,次に紫外線を照射してオレンジ色になったサリチリデンアニリン類を赤外吸光光度計で分析しました。赤外吸光光度計は化学結合を調べる測定法なので,分子の構造がわかるはずだと思ったのですが,こちらでも分子の構造を調べることは難しいことが分かりました。

色の変化を分子の構造の変化として考えることはできます。しかし,それを科学的に証明するのは難しいのです。中学生は,理論的予測と科学的証明との差や,科学にはまだまだ謎が多くあること,科学研究とは何のために行われているのかについて考察しました。
 私たちは物質の構造の変化を色の変化として捉えることができます。つまり,分子は小さくても決して見ることができないわけではありません。しかし,色の変化が何を意味しているのかは,色だけではわかりません。そこで,分析化学が必要になります。人間の五感は鋭敏ですが,その能力を過信せず,わかることとわからないことを整理して,私たちが何を知り,何を知らないのかを考えられるようになったとき,中学生は科学者として大きく羽ばたくでしょう。

溶液に紫外線を照射しても色が変わらないのはなぜなのだろう?(ブラックライトは安全なものを使用)

サリチリデンアニリン類を合成しています

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