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1 展開図から折線を消し去ると

 図1(a) は立方体の展開図です。「この展開図からできる立体は ?」 との問いに、誰でも迷わずに「立方体」と答えるでしょう。

 では、折線を消し去った図1(b) ではどうでしょう。「どのように折線をつけてもよいことにして、この図からできる立体は ?」

 さて、今度はどう答えればよいでしょうか。立方体が1つの答であることは間違いないのですが、他の立体図形ができる可能性も否定できません。誰もが返答に窮することでしょう。

 次の図 2 についてはどうでしょうか。展開図 2(a) からは、立体を作ることはできません。図 2(b) から、好きなように折線をつけてよいことにして、何らかの立体図形を作ることが可能でしょうか。この問題も難しそうです。

 皆さん、今までこのような問題を考えたことがあったでしょうか。O'Rourke 先生の講演『Folding and Unfolding in Computational Geometry』はこの問題に関する研究発表でした。そして、今まで誰も想像しなかったような答が、コンピュータを使った計算からでてきたのです。図 3 のような折り方が見つかったのです。3(a) は四面体、3(b) は五面体、3(c) は八面体になる展開図です。

 図の折線と辺の交点は、* 印のついているところが辺の3等分点で、その他は頂点または辺の中点です。方眼紙などに図3を描き、立体図形を実際に組立ててみてください。立体幾何の不思議な世界に引き込まれること間違いないと思います。


平田浩一