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3 どのように計算するの

 図3の展開図はコンピュータを使った計算からでてきたといいました。いったいどんな計算をコンピュータにさせたのでしょう。

 O'Rourke 先生は、立体図形を作るために、「展開図の折線をどのように求めるか」という考え方を捨て、「辺と辺をどのように貼り合せるか」という考え方を採用しました。発想法を変えてみたのです。

 図5のように、平面図形の周囲を頂点と辺に分割し、各辺に e1, e2, e3, … のように番号をつけ、「立体図形が組立てられるようなこれらの辺の貼り合せをすべて求めてみよう」という発想で研究を進めてみたのです。

 2つの辺 ei と ej の貼り合わせを、ei=ej のように等号で表すことにします。図5(a) から立方体を作ろうとするときの辺の貼り合わせは、e1=e8, e2=e5, e3=e4, e6=e7, e9=e10, e11=e14, e12=e13と表すことができます。このような貼り合わせをコンピュータにすべて求めさせてみようと考えたわけです。

 求めたい立体図形は凸多面体ですから、次の条件を満たす貼り合わせ解だけを探します。

(C1) 貼り合わすことができるのは同じ長さの辺と辺である。
(C2) 貼り合せで作られる立体図形は位相空間として球面と同相である。
(C3) 貼り合せで作られる立体図形の各頂点のまわりに集まる角の和は 360°以下である。

これらの条件が凸多面体を作るための必要条件であることは明らかでしょう。


平田浩一