愛媛大学代数セミナー

次回以降の講演予定

  • 第67回 : 2019年7月5日(金) 16:30--17:30
  • 場所 : 愛媛大学理学部2号館2階 大演習室(201)
  • 講演者 : 都築正男 (上智大学)
  • 題目 : $SL_3(Z)$の明示的なアーサーセルバーグ跡公式とその応用
  • 概要 : ポワンカレ上半平面$H^2$上の2点間の双曲距離のみに依存する滑らかでコンパクト台を持つ関数$h$ (point pair invariant)は上半平面$H^2$における$SL_2(Z)$の合同部分群$\Gamma$の基本領域$\Gamma \bsl H^2$上の2乗可積分関数の空間にトレース族の積分作用素$T_h$を定義します。いわゆるセルバーグ跡公式は$tr(T_h)$を$\Gamma$の共役類から決まる$h$(或いはそのHarish-Chandra変換)の汎関数の無限線型和で明示的に表す公式ですが、非コンパクトリーマン面のワイル法則、セルバーグ型ゼータ関数の構成や素測地線定理など多くの問題への応用をもちます。
    5次元対称空間$H^5=\SL_3(R)/SO(3)$に作用する$\Gamma=\SL_3(Z)$に対して、同様の明示的な「跡公式」を証明しようという試みはいくつかあったものの、完全に書き下された公式はこれまで知られていなかったようです。
    今回は、(1) $GL_3$のアデール化の「アーサーの不変跡公式」から出発することで、3次ユニモジュラー群$\SL_3(Z)$について明示的な跡公式を書き下し、(2) $\SL_3(Z)\bsl H^5$のワイル法則や熱核の微小時間展開への応用についてお話します。
    (若槻聡氏、Werner Hoffmann氏との共同研究)