愛媛大学代数セミナー

2024年度の講演予定・講演記録

  • 第99回 : 2024年4月22日 (月) 16:30--17:30
  • (通常と曜日が異なりますのでご注意ください)
  • 場所 : Zoomによるオンライン開催
  • 講演者 : 原瀬 晋(立命館大学)
  • 題目 : 連分数に基づく準乱数とマルコフ連鎖モンテカルロ法への応用
  • 概要 : ベイズ統計学の分野では,マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法を用いた期待値計算が頻繁に現れる.このとき,乱数によるモンテカルロ計算は収束が非常に遅いため,より高い一様性を有する準乱数に置き換えて高速化を図る準モンテカルロ法を適用したい.しかるに,通常の準乱数はMCMC法にそのまま適用することが出来ない.Owen-Tribble(2005)及びChen-Dick-Owen(2011)は,CUD列と呼ばれる点列を用いると,MCMC法による期待値計算に適用できることを理論的に示した.ここで,CUD列の定義は構成的でない.そのため,短い周期の擬似乱数発生法を用意し,一周期使い切った際に現れる格子構造を利用して,CUD列の近似点列として実装する方法が提案されている.
    最近,発表者は,この実装方法の枠組みで,準モンテカルロ法の一様性の指標であるt-値が最適化された準乱数を作成した.その設計に際し,2次元のt-値は有限体上の有理関数の正則連分数展開と密接に関係があり,連分数を用いて準乱数のパラメータ探索を行った.
    本講演では,この準乱数の概要,並びに,MCMC法への応用例を紹介する.
  • 参加申し込みフォーム : https://forms.gle/FHiUanbHNFvwiyaT7